自宅だけ停電したときの原因と安全対処法

最初に確認する順序（現場で慌てないために）

停電が起きたら、まず落ち着いて「順番」に確認するだけで安全と復旧のスピードは大きく変わります。やるべき順序は次の3つです。

これで状況の大枠（地域停電／自宅のみ／部分停電）が分かります。以下は判断の目安です。

• 周囲も暗い → 地域停電（電力会社の情報をチェック）
• 周囲は明るい・自宅のみ暗い → 引込線や電柱・屋内配線の可能性
• 一部の部屋だけ暗い → 屋内の回路（電気工事会社へ）

ブレーカーの正しい確認手順

分電盤の扱いはシンプルですが、順序を守って操作してください。無理に触ると危険です。

手順（安全に）

1. 家の家電をすべてオフにする（特に電子レンジやエアコンなど）
2. 分電盤を開け、落ちているブレーカーがないか確認する
3. 落ちていれば「上げる（ON）」ことで復旧することが多い
4. メイン（漏電遮断器）が落ちている場合は、個別回路を順に戻す

もしブレーカーが何度も落ちる場合は、その回路に問題があります。電気工事会社に点検を依頼してください。

「ブレーカーはまず見てみるのが基本じゃ。ただし、濡れた手で触らんこと。」

電力会社に電話してもつながらない理由

停電発生時は短時間に多くの人が問い合わせをします。コールセンターは瞬間的に混雑し、回線が不足するためつながりにくくなるのです。

主な理由

• 問い合わせの集中（数分で大量の着信）
• 現場対応の職員が優先されるため電話対応が追いつかない
• 小規模停電は調査に時間がかかる場合がある

実体験：筆者も最初何度かけてもつながらず、チャット案内が流れました。Wi-Fiが使えない状況ではチャットも通信量に注意が必要です。

自宅だけ停電の代表的な原因（電柱ヒューズ・引込線など）

自宅だけ停電する場合、屋外の設備（電柱や引込線）に原因があることが多いです。代表的なパターンを整理します。

電柱のヒューズ切れ

電柱上の保護機器（ヒューズや保安器具）が切れると、その家だけ停電することがあります。原因は経年劣化、落雷、外的衝撃（枝の接触）など。

引込線の断線・劣化

電柱から家へ伸びる引込線が切れたり劣化したりすると、外観に異常（垂れている、焦げ跡）が見える場合もあります。近づかずに電力会社へ連絡してください。

屋内配線のトラブル

配線の劣化やコンセントの不具合、漏電などで一部または全体が止まることもあります。この場合は地域の電気工事会社に点検を依頼しましょう。

停電が生活に与える影響（季節別に知っておくこと）

夏のリスク：エアコン停止＝熱中症の危険

高温時にエアコンが止まると高齢者や子どもが危険になります。涼しい避難場所や近隣施設の利用を事前に考えておくと安心です。

冬のリスク：暖房停止＝低体温や凍結の可能性

室温が下がると体調不良や水道凍結のリスクが高まります。布団や断熱対策を普段から準備しておくと良いです。

通年リスク：冷蔵庫の保冷崩壊

冷蔵庫は開閉を控えれば数時間は保冷できますが、長時間の停電時は早めに判断して食材の処理を考える必要があります。

「冷蔵庫の中のもの、どうしよう…今日は買い物行ってたから大丈夫かな？」

電力会社と地域の電気工事会社の使い分け（簡潔版）

停電時にどこへ連絡するか迷ったら、下のシンプルな目安を使ってください。

電力会社に連絡するケース

• 近所は点いているが自宅だけ消えている
• 分電盤に落ちがない（ブレーカー異常なし）
• 電柱や引込線に外見上の異常がある

地域の電気工事会社に連絡するケース

• 家の一部の部屋だけ使えない
• 特定のコンセントや回路が動かない
• ブレーカーを戻してもすぐ落ちる／焦げ臭いなど屋内の異常がある

【電力会社へ伝えるテンプレ（電話時）】
住所：○○県△△市□□町1-2-3
状況：「自宅だけ停電しています。近所は点いているようです。」
確認：「分電盤のブレーカーは確認しましたが落ちていません。」
見える異常：「電柱の近くに垂れた線が見える／焦げ跡がある」
連絡先：あなたの電話番号

補足：住所と状況を明瞭に伝えると、電力会社は優先度や現場派遣の判断をしやすくなります。

地域の電気工事会社を頼るときのポイント

地域の電気工事会社は「屋内の一次判断」と「短時間の応急処置」で力を発揮します。連絡するときは下記を伝えると対応が早くなります。

伝えると良い情報

• 発生時刻・発生状況（家中が暗い、部屋の一部のみ等）
• 分電盤の状況（落ちているブレーカーの有無）
• 焦げ臭いや異音などの有無
• 可能なら現場の写真（安全に撮影できる範囲で）

「地元の電気工事会社に連絡しておけば、一次対応が早いから安心じゃよ。」

※料金や出動ポリシーは業者によって異なります。事前に確認できると安心です。

停電対策：いま準備しておくべき持ち物リスト

実際に役立ったアイテムをカテゴリ別に整理しました。可能な範囲で揃えておくと安心度が高まります。

復旧後に必ずやること（点検と記録）

停電が直ったら、次の対応を行いトラブルを未然に防ぎましょう。

1. 家電を一つずつ動作確認（異臭・異音がないか）
2. 分電盤の表示や履歴をチェック
3. 電力会社・電気工事会社からの報告書を保管
4. 必要なら点検・修理の見積りを取り実施

記録しておくと、次回の対応が速くなります。保険や補助金の申請に役立つ場合もあります。

FAQ（よくある質問）

Q1：停電時に光電話は使えますか？

A：モデムやルーターに電気が必要なため、停電時は光電話は使えません。スマホが最も確実な連絡手段です。

Q2：ガス給湯器は停電中でも使えますか？

A：機種により異なりますが、多くは点火や制御に電気を使うため、停電時はお湯が出ないことがあります。取扱説明書で確認してください。

Q3：冷蔵庫はどれくらい保冷できますか？

A：一般的に、開閉を避ければ3〜6時間程度保冷できますが、季節・容量で差があります。長時間の停電では早めに対処を。

Q4：電力会社がつながらない場合はどうすれば？

A：地域の電気工事会社に連絡し、状況を相談する方法があります。さらに近隣住民と情報を共有して優先度判断の参考にしましょう。

まとめ（今日できる準備）

停電は頻度は高くないものの、事前準備で安心感は大きく変わります。まずは次の4つを今日から実行してみてください。

• 電力会社と地域の電気工事会社の連絡先を紙で保管
• 懐中電灯・大容量バッテリー・保冷資材を準備
• 分電盤の位置と操作方法を家族で共有
• 停電時の集合場所と連絡ルールを決める

「うん、今日から番号メモして冷凍庫のものも確認しておくね！」

この記事が皆さんの備えに役立てば嬉しいです。